この記事では、クラシック音楽を学ぶ上での基礎知識となる、「楽曲の形式」についてご紹介します!
ソナタとか、ロンドとか、聞いたことはあっても、なかなか説明できませんよね…。
どんな種類があるのか、それぞれの特徴は?といった疑問について、簡単にご紹介します!
メロディーの最小単位は「動機」!?
楽曲の形式を知る前にまず、音楽やメロディーがどのように構成されているか?を知る必要があります。
とんでもなく奥深い世界なのですが、要点だけ説明しますね!
まず、楽曲は以下の図のように分解できます。図でイメージしてみて下さい。
この図の「動機」が、楽曲の最小単位、と呼ばれています。
かえるの歌で例えると、「♪かえるのうたが(ドレミファミレド)♪」までが動機です。
楽曲と認められるのは「大楽節」から
そして、一つの独立した音楽として認められるのは、上記でご説明した動機が4つ分。
このまとまりを「大楽節」と言います。これを頭に入れておかないと「ソナタ」や「ロンド」を語る事ができません!!
小節で数えると8つ分ですね(例外もありますが、この記事は基礎編ですので、一般論だけでご説明します)。
楽曲の形式1(一部形式~三部形式)
それでは、基礎知識が手に入ったところで、楽曲の形式についてご説明します。
種類とザックリの概要だけですが、以下の通りです。
一部形式
ひとつの大楽節で構成される楽曲の形式を、「一部形式」と言います。
代表曲は「かえるのうた」ですね。「あかとんぼ」なんかもそうです。
単純構造で繰り返されるので、童謡として知られる事が多いのだと思います。
二部形式
異なる2つの大楽節から構成される楽曲の形式を、「二部形式」と呼びます。
代表曲は「ふるさと」、「夕焼け小焼け」、「もみじ」、「里の秋」、「春の小川」などです。
覚えやすいので、やはり童謡や小学校の教科書に載っているような曲が多いです。
三部形式
もうお察しの通り、大楽節が3つで作られる楽曲の形式を、「三部形式」と呼びます。
小楽節3つでも「三部形式」と呼ぶ場合もあり、この辺りから少し複雑になってきます。
楽曲の形式2(複雑な構成)
ここからの説明は、大楽節にアルファベットで名前をつけないと説明が難しいです。
ここから先、AやBなどアルファベットが出てきたら、全て大楽節1つ分の名前、として見て下さい。
ロンド形式
同じメロディーが何度も繰り返し演奏される形式をロンド、と言います。この時、単純に繰り返すだけではありません。異なるメロディーが間に挟まれます。
例えるなら、ミルフィーユみたいなイメージでしょうか。
A B A C A D A、といったように、何度も基本テーマとなる A が繰り返されます。
ソナタ形式
ソナタ形式は、もはや大楽節=Aといった方法でも説明がつかなくなります(済みません)。
ですが3つに構成が分かれている、とまずはご理解下さい(お願いします)!
基本のソナタ3点セット
提示部 | 主題(テーマ)が提示される「この曲はこんな感じですよ!」というパート |
展開部 | 提示部とはまた別の主題が提示される「盛り上げ、どんでん返し」のパート |
再現部 | 最初の主題が再現される「まとめ」のパート |
ところが、大御所作曲家のお歴々は、この3つだけで満足できなかったようで…。
なんと、基本のソナタ3点セットに更にオプションを加えて、より大作ソナタを作り上げてしまったのです!
これだから素人には取っつきにくいですね。
大作ソナタは5点セット!
大作ソナタもできるだけ簡単にご説明します。
序奏 | イントロ。曲に勢いをつける「助走」パート。ベートーヴェンは序奏で1分以上使う事もあります。 |
提示部 | 主題(テーマ)が提示される「この曲はこんな感じですよ!」というパート。 |
展開部 | 提示部とはまた別の主題が提示される「盛り上げ、どんでん返し」のパート。 |
再現部 | 最初の主題が再現される「まとめ」のパート。 |
コーダ | 第2の展開部と言わんばかりにもうひと盛り上がりさせる「まとめ・・・からの〜クライマックス!」のパート。 |
楽曲の形式3(会話式)
最後に、「カノン」と「フーガ」をご紹介します。ためしに「カノン」とWebで調べてみると…。
カノン (canon) は、複数の 声部 が同じ 旋律 を異なる時点からそれぞれ開始して演奏する様式の曲を指す。
皆さん、分かりますか?私はよく分かりませんでした。。。「声部」?がまず分かりません。色々と調べてみると…。
最終的な「声部」に対する私なりの解釈は以下です。
つまり、曲の中で二人で会話している、と思えば少し分かってきます。
カノン
カノンは2人の会話にすると以下のような感じです。
こんにちは♪
こんにちは♪
今日は晴れましたね♪
今日は晴れましたね♪
カノンでは基本的に、BさんはAさんの言ったことを繰り返します。
フーガ
フーガは、二人の会話がちょっと複雑になってきます。バッハが得意とした形式だそうですよ。
こんにちは♪
こんにちは♪
今日は晴れましたね♪
ピクニック日和ですね♪
このようにフーガでは、Aさんのメロディーに対して、Bさんが違うメロディーで返します。
上記のように、2つのメロディーがある音楽を二声音楽と呼びます。
なんと、三声、四声、五声のフーガもあるそうですよ…!!
やはり奥深すぎるクラシック音楽
この記事で紹介した楽曲形式は、クラシック音楽の多様なスタイルや構造を反映しています。
作曲家たちはこれらの形式を自由に組み合わせて、独自の音楽作品を生み出しています。
ほんの基本だけを紹介しましたが、全ての形式に派生や発展形があるようです。とても説明しきれませんね!
しかし、基本を知る事で、音楽を聴くときの観点が変わってきます。少し世界が広がる気がしてワクワクしますね!
この記事を読んで頂いて、ありがとうございました!
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