森鴎外の小説です。
罪人を護送するため、京都の高瀬川を下る「高瀬舟」という舟がありました。「高瀬舟」は京都から罪人を島流しにする際に使われました。
妹を殺して殺人の罪を背負った「喜助」が、島流しの刑で高瀬舟に乗ってきました。
喜助は幼少期に両親を亡くし、病床の妹を養いながら働いていました。妹は、そんな喜助に罪悪感を募らせています。
自分のために苦労する喜助に罪悪感を募らせた妹は、小刀を使って自害を図ります。しかし致命傷には至りません。
「突き刺さった小刀を引き抜いて」
そうしたら楽になるからと喜助に懇願する妹。
苦しむ妹の姿に覚悟を決めた喜助は、深く突き刺さった小刀を引き抜きました。
妹の願いを聞いた喜助は、果たして人殺しだったのでしょうか。
高瀬舟の護送者として喜助と接した庄兵衛は、複雑な思いを抱えたそうです。
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